台湾大学出身の友人が街を案内してくれた時、大学内の店でいつも買うお菓子があるので寄ってもいいかと言われた。
紫いものチップスがとても美味しいらしいのである。それ以来、台湾の大学内のショップというものに興味を持つようになった。
映画「KANO」の舞台となった嘉義に行った時、映画の舞台となった嘉義農林学校(現・嘉義大学)のショップで売っている乳製品が美味しいと聞いたので、観光のついでに寄ってみることにした。
寄ると言うには少々中心街から離れたところにあるためタクシーで向かった。ところが大学に着いた後も敷地が広すぎてショップがどこにあるのかさっぱりわからない。ちょうど一人の女性が歩いてきたので話しかけてみたところ、抱えていた大きなごみ袋を収集場に置いたあと、ショップの近くまで案内してくれた。お礼を言いたいのはこちらの方なのに、彼女は何度もお辞儀をしながら去って行った。
さて、無事にショップに着き、評判通りに美味しかったソフトクリームを堪能した後、KANOにまつわる展示品を見ることが出来たのでしばらくそれらを見学し、さて帰ろうとなった段階で、バスの本数が非常に少ないことに気づいた。何時間も待たなくてはいけないではないか。しばらくタクシーが通らないかと道端に立っていたが、タクシーどころか車の通行自体がほとんどない。これは困ったということで、入り口に設けられた警備室のようなスペースにいた男性に話しかけてみた。するとタクシーを呼んであげるので、ここで待ってなさいとパイプ椅子を出してきてくれたのだ。暑いだろうと浄水器から水まで汲んでくれた。先ほど出会った女性に続き、ここでも台湾の人の優しさに触れることとなった。もう何度もこういう経験をしているのに、改めて胸の奥が熱くなるのを感じた。この手の感情は慣れるということがないのかもしれない。
台南には成功大学という非常に縁起の良い名前の大学がある。これは「Success」という意味の成功ではなく、当時の宗主国であったオランダの軍に勝利した台湾の英雄、鄭成功の名前に由来している。
成功大学は、日本の京都大学と称されることが多い。私が尊敬する著名人は京大出身者が多いので、否が応でもイメージが良くなる。ちなみに台湾で一番親しい私の友人も成功大学出身だ。
成功大学は台湾鉄道の台南駅から徒歩圏にある。昭和天皇が皇太子時代に自ら植樹されたと言われているガジュマルの木が見たかったこともあり訪問することにした。もちろん学内のショップにも寄る予定だ。
ガジュマルの木は台南の街中でも見ることができるのだが、そのガジュマルは一際大きく圧倒的な存在感を放っていた。ベンチもあり風がとても気持ちよかったので、束の間の成功大生気分を味わうことにした。
十分休憩したところで大学内のショップに向かおうと思ったが、成功大学も相当広い。結局自力では見つけることが出来ず、ちょうど成功大学のロゴが入ったTシャツを着た女性が通ったので、そのTシャツはどこで買ったのかと聞いてみた。幸い英語でやりとりして無事ショップに到着。
雑多に品物が山積みされていて、店内のオシャレ度はかなり劣る。しかしそんな中からお宝を発見した。こちらのTシャツである。
大学のTシャツといえばロゴ入りが定番であるが、こちらはガジュマルの木が主役。袖の成功大学というプリントが何ともおめでたいじゃないか。迷わず購入することにした。
台湾大学はCool Code Studio、COLAZという大学のライセンスを受けて様々なおしゃれグッズを販売している。また教科書や文具を扱っている台大出版中心書店は、街にあるショップよりよっぽどオシャレ可愛いアイテムが売っていたりする。成功大学派としては、是非とももう少し成功大学もグッズ販売に力を入れてほしいところである。
台湾は2、3泊程度の短期旅行をする人が多く、なかなか大学まで足を運ぶ時間はないのかもしれない。嘉義大学などわざわざ行くような立地にある場合は尚のこと。でも台湾大学や成功大学はとても行きやすい場所にある。食欲や物欲を満たしつつ、ぜひとも台湾のアカデミックな雰囲気に触れてみてはいかがだろうか。
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