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旅のエッセイ「北京ダックの洗礼」

今から15年ほど前。当時欧米かぶれしていた私にとって、台湾は初めてのアジア旅行だった。

実際行ってみるとハマったハマった。

何が?って何だろう・・・。

特に好きな観光名所があるわけでもない。
でも気を張らなくていいというのか、すっぴんでも平気で出かけられるし、暖かいから気持ちがすれない。

お腹が空いたらポケットから小銭を出して、どこにでもある屋台に向かえばいい。
「食」はつくづく大切なんだと思う。

そんな台湾で初めて食べたのは、北京ダック。

いくら欧米かぶれしていた私でも、北京ダックが台湾料理ではないことくらいわかっていた。

たまたま夕方に台北に到着し、何か食べる所はないかとホテル周辺をぶらついていたときに見つけた「北京ダック丸ごと599元(約2200円)」という看板に惹かれたのだ。

今まで興味はありながらも食べたことのなかった北京ダック。
どんなものかとレストランに入り、早速メニューをもらった。

日本語と英語を交えながら、とりあえず台湾ビールを2本注文。
メニューに大好きな中華ブロッコリーの炒め物があったので、つまみに注文し北京ダックの登場を待っていた。この時腹1分目。

20分ほど待って北京ダック登場。

で、でかい・・・。これ2人で食べるの?1人当り10枚以上はある。

添えられたネギと一緒に皮でつつみ、たれをつけて口に運ぶと、肉汁がじゅわわぁーと広がって確かにうまい。でもこれはかなり濃厚な味。3枚食べ終わった頃には腹5分目に到達していた。

「これはキツいね~。」と夫と話していたところに、今度は身のボイルが登場。

「え!こ、これも食べるんすか! ヽ(`д´;)/」

身の方は皮よりあっさりしているけど独特のクセがある。

腹10分を軽く超え、あーもうダメと思っていたところに追い討ちをかけるように運ばれてきたのは、直径30センチはある深皿にたんまりと入ったガラスープだった。

「し、汁物はお腹にたまるんだってぇ・・・。ヽ(’A`)ノ 」

大量のダック攻めにギャーギャー騒いでいたので、近くの席で誕生日パーティを開いていた家族に声をかけられた。

「あなたたちは日本から来ましたか?」

日本統治時代に日本語教育を受けた年配の方たちは、日本語がめちゃくちゃ上手い。
いろいろ話しているうちに気に入られたのか、私たちにもケーキを配れとウェイトレスに言っている。

「も、もう食べられません!ヽ(゚´Д`)ノ゚」

好意でいただいたものなので、泣きながらなんとかケーキはたいらげ、料理の残りは持ち帰ることに・・・。

この時私のお腹は、かつて体験したことのないくらいパンパンになっていた。

その深夜。体を突き抜けるような胃の激痛で目を覚ました。

味わったことのない感覚。体中から脂汗がにじみ出る。震える手で胃薬を飲み横になったが、痛みで明け方まで眠れなかった。だ、大丈夫か私・・・。

うとうとしている間に日が昇り、恐る恐る体を起こしてみた。すると昨晩のことが嘘のように胃が復活。いったい何だったんだろう・・・。

とりあえず目の前の危機は乗り切ったものの、二度と少人数で北京ダックは食べまいっと深く誓った。

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