ベトナム・ホーチミンシティの夜の過ごし方といえば、ディナークルーズを強くおすすめしたい。
サイゴン川には、手漕ぎボートのようなものから貨物船にいたるまで、たくさんの船が行き来しているのだが、中でも目立つのが様々な形をしたクルーズ船だ。これに乗って食事と音楽を楽しむことができる。
調べてみると龍の形をしたものや屋形船などいろいろあるが、私よりカワイイものに目がない夫が目を奪われたのが、魚の形をした3階建ての船「ベンゲー号」だった。
ベトナム・ホーチミンシティへ到着した私たちは、出航時刻や乗り場などを確認するため川の近くまで下見に出かけた。
車とバイクの通りが激しい大通りを何とか横断し川沿いに向かうと、呼び込みのオッサンがウヨウヨいる。乗り場はすぐ確認できた。
1人のオッサンがボートに乗れ乗れと寄ってきたので、魚の船の写真を見せて、これに乗りたいけど何時に出発するのかと英語で聞いてみた。
すると「エブッデー エイト オクロック!」と快く教えてくれた。このまま会話を続けていたらつかまると思い、「カムオン(ありがとう)」と言ってそそくさと逃げてきた。
乗船当日の夜。何となくオッサンの言うことがいま一つ信用ならなかったので、1時間ほど早めに到着。船の前に向かうと看板に20:15出発と書かれていた。オッサンの言ったことは、ほぼ合っていたことになる。
船の入り口に向かうと、受付らしき正装の人が手招きしてくれたので、そのまま船内へ。すぐに2階へと案内された。
早速食べ物のメニューが渡される。空心菜炒め、エビのココナッツ蒸しにあげ春巻きと、ビール、ご飯を注文。
それにしても早めに来たのは正解だった。ちょうど食事を終えた頃に船が出発したので、景色を十分堪能することができたのだ。
船内前方にはステージがあり、最初はベトナムの歌手が歌っているかと思っていたが、良く見ると中国人の団体観光客が代わる代わるマイクを取り合っている。それはまるで公共の場でのカラオケ大会だった。
歌がようやく終わったかと思えば、次は露出度の高いお姉さんが登場し、ファイヤーダンスが始まった。男性観光客を一人選び、火の点いた棒を持たせる。するとお姉さんがオヤジに近づき、密着度満点の踊りの中で火を消すといういかにも東南アジア的なパフォーマンスがあり、船内は再び大盛り上がり。男性観光客は顔を真っ赤にしながらも、満足げな笑顔を浮かべていた。
いろんな意味で楽しませてもらったショーが終わり、後半30分は静かな雰囲気の中、心地よい夜風を堪能しつつ夜景を楽しむことができた。
クルーズ代に料理やお酒も含めて2人で合計330000ドン(約1600円)。
明細の字が読めないのでボラレたのかどうかわからないが、日本人の感覚から言えば驚きの安さ。
後で知ったのだが、船によってクルーズの時間やショーが異なるらしい。ベンゲー号は1時間半だったが、龍の形をした盆栽号は3時間、クラシックやジャズの演奏もあるらしい。好みによって選んでみてもいいと思う。
※詳しくは事前に船のサイトなどを確認することをおすすめします。