トロントでは、毎年6月の終わりから7月の初めにかけてプライド・パレードと呼ばれる同性愛者をはじめとする方々のパレードが行われる。
何やら北米最大規模でかなり盛大らしい。お祭り好きな私と友人は、すかさずこの情報に食いつき行ってみることにした。
パレード当日。Wellesley駅で降りた私達は、想像以上の人、そしてLGBTQ+の方々の数におののいた。
石を投げれば当たるなんていうレベルじゃすまない。パレードを盛り上げようと、世界中からLGBTQ+の方々が大集結していたのだ。
滅多にない機会だし、華やかに着飾ったみなさんと一緒に写真を撮ってもらおうと思い、通り過ぎる人たちの観察を開始した。
体にぴったりフィットした革の服にアクセサリーをじゃらじゃらつけたハードファッション系や、ピンクの大きな羽を付け顔までピンクに塗った人、モザイクをかけたくなる位の露出系など、個性満載で迷う迷う。
そんな中、白いタンクにパレオを巻いたイケメン集団を発見した。
ギリシャ彫刻かと思うような鍛えられた肉体に、日焼けした肌がまぶしい。鼻筋が通っていて、歯並びは完璧。瞳の色はブルーときた。
こうなったらインパクトなんてどうでもいい。まずは目の保養だとばかりに全速力で追いかけた。
写真は快く承諾してくれ、パチパチと数枚撮影。お礼を言いながら改めて見ると、その男前っぷりに不覚にもボーっとしてしまった。イケメンを見て我を忘れるなんて、後にも先にもこれっきりだ。
LGBTQ+になるきっかけとして、美を追求するあまりに行きついたケースがあると聞いたことがある。美の追求の達成で言えば、彼らは最高の成功例かもしれない。
数日後。
出来あがった写真を見てがっかり。イケメン相手の緊張で手が奮えたのか、ブレブレで顔が全く見えないじゃないか!
あぁ・・・・・・・・・。