トロントでは、インラインスケート(ローラーブレード)で街中を移動している人たちをたくさん見かける。
自称ホッケー「観戦」留学でトロントに来た私としては、いつか自分自身もシャーッシャーッとクールに滑ってみたいものだとイメージを膨らませていた。
とはいえ、初心者の私がいきなり公共の道路を走るのは自殺行為極まりない。まずは公園デビューが無難だなとも感じていた。
それから数日、ちょうどタイミング良く図書館で知り合った友達からインラインスケートをしてみようよという誘いを受けた。
スケート靴を持っていない私たちは、北米随一の規模を誇るディスカウントストア、ウォルマートに集合。一目見て気に入ったインディゴブルーのスケート靴を格安の59ドルで購入した。それでもホッケー界では超有名ブランドCCM。
これで準備万端。仕事開始直前の日曜日に、初のインラインスケートに挑戦することになった。
ダウンタウンからフェリーに乗ってほんの15分ほどで着くトロントアイランドは、自然がいっぱいでサイクリングやインラインスケートを楽しむ人たち、BBQをする人たちなどでにぎわっていた。
はやる気持ちを抑えながら靴を履き替え、クララのようにおそるおそる立ち上がってみる。
底に太い車輪がついているためか、アイススケートの靴よりは安定感があるようだ。これはいけるかも。
これまたクララのようによぼよぼと一歩足を踏み出す。
すかさず二歩目が出る。三歩目、四歩目・・・。片足をつけると同時に、意志と反してもう片方の足が出てしまう。
ひょっとして私、走ってる?
そう、重心を片足に上手く乗せられない私は、滑ることなく走っていたのだ。
おかしいなぁ・・・子供の頃はスケート選手のマネをして、腕を左右にぶんぶん振って滑ったはずなのに・・・。
あたりを見回すと、他の友達は皆難なくこなしているようであっという間に遠くの方へ消えてしまった。
くぅ~っ!!!
悪戦苦闘を繰り返すこと1時間。ようやく形にはなってきたが、公道デビューは当分お預けとなった。
全身筋肉痛の上、ひざには転倒後のアザ。散々な結果だったけど、自然の中で体を動かすのって気持ちいい!
お腹がぺこぺこの中、駆け込んだ馴染みの和食レストラン、東京グリルの牛焼肉定食は、涙がでるほど美味しかった。