台湾はフルーツ天国である。
日本では高級扱いされる西瓜などの果物がびっくりするほど安い。比較的財布に優しいバナナも台湾産は割高で、日本で気軽に入手できるのはフィリピン産やエクアドル産である。台湾産のバナナは、もっちりとして風味が優しくとても美味しいので、台湾滞在中は積極的に食べるようにしている。
安いからか台湾人にとってフルーツはとても身近な存在のようである。台湾のドラマを観ていると、冷蔵庫の中にはフルーツがどっさり備蓄されている。日本に留学している台湾の友人は、日本はフルーツが高すぎると嘆き、会うたびに痩せている気がする。
というわけで、台湾にいると果物屋はもちろんフルーツジューススタンドも非常に多く見かける。そう、台湾はフルーツ天国でもあり、ジューススタンド天国でもあるのだ。
日本にいて外出中に喉が渇いた時といえば、まず駆け込むのはコンビニであろう。台湾にもコンビニはたくさんあるが、それ以上に魅力的なジューススタンドが点在しているため、ペットボトルドリンクを持ち歩いている人はほとんど見かけない。注文も好みによって氷や砂糖の割合を細かく指定できるのは、日本に住む身としては羨ましい限りである。
さて台湾のフルーツジューススタンドに行くと、驚くほどたくさんのメニューがあることに気づく。優柔不断な人ならいくらでも店の前で悩み続けることができるだろう。
最近加齢のせいか世の中の色々なものに未練を感じるようになった私は、今までファミレスと言えば和風ハンバーグと相場が決まっていたのに、それすらもぶれつつある。しかしフルーツジュースに関しては、いまだ数種のローテーションに踏みとどまっている。そのうちの一つが木瓜牛奶(パパイヤミルク)だ。そう、私は無類のパパイヤ好きなのである。日本では気軽に食べることができないため、楽しみと言えば年に数回ふるさと納税のお礼の品として貰う時ぐらいだ。
パパイヤを選ぶ理由はもう一つある。それはパパインという非常に優秀な消化酵素が含まれているからだ。パパイヤは、パイナップルやキウイフルーツと並ぶ三大消化補助果物と称されており、食事の際これらのフルーツを摂取することで、栄養の吸収をアップさせたり消化不良を予防することができるというのである。
パパイヤだけ摂取できればいい私としては、牛乳が入ったパパイヤミルク(木瓜牛奶)である必要は全くない。むしろお腹がゴロゴロする原因を招くだけであり、本当に飲みたいのはパパイヤジュース(木瓜汁)なのである。ところがあれだけたくさんの種類があるにも関わらず、どのジューススタンドを見ても木瓜汁というメニューがない。バナナミルクはあってもバナナジュースがレアなように、パパイヤは牛乳がないと飲み物として成立しないものなのだろうか。早速インターネット検索してみると、次から次へとパパイヤジュースのレシピがヒットするではないか。それならと実際自分でも作ってみたが、余裕で美味しかった。大成立である。
材料としては全く問題ないはずなので、さりげなく「我要木瓜汁(パパイヤジュースをください)」と注文してみたらどうかとも思うのだが、「没要!(ないよ!)」と冷たく言われそうで未だ実現できていない。ミルクティーにプッチンプリンを入れるという技を持つ台湾人に、パパイヤジュースという発想がないとはどうしたことなのだろうか。
もし木瓜汁というメニューを見かけた方がいたら、ぜひとも教えていただきたい。
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