前回、語学を上達させるために最も必要なことについて書きました。
外国語を学ぶ前に、そもそもどんな動機で始めようとしているのか把握することはとても大事なことです。
更に言うと、やみくもに考えるより戦略的に行ったほうがより効果的です。
私が英語やスペイン語を勉強していた頃は、ただただ勢いだけで突っ走った印象があります。
でも日本語教師の資格を取得した現在は、もう少し違うアプローチがあったなと思ったりします。
それはニーズとレディネスを把握することです。
語学教師であれば、クラスで言語を教える際に学習者のニーズとレディネスを調査して詳しく分析します。
その分析結果をもとに具体的な授業の流れを決めていくのです。
そして、これは独学で学ぶ際にも大いに利用できます。
そこで今回はニーズ分析とレディネス調査について、それぞれの意味と独学で活用する方法について書いてみようと思います。
ニーズ分析とは
「ニーズ」という言葉は既に外来語として日常的に使われているので、ニーズ分析が何を意味するのかは容易に想像できるでしょう。
語学学習におけるニーズ分析とはその語学を学ぶ必要性を明らかにすることです。
前回書いたモチベーションも、この分析に含まれます。
では具体的にどのようなことをやればいいのでしょうか。
これは出来るだけ詳しくイメージしましょう。
誰に対して、どこで、どのように使うのか・・・といった感じです。
選択する技能は、一つでも複数でもOK。あくまでも必要な分だけ選びます。
深く考えずに語学勉強をしていると、無意識に完璧さを求めてしまいます。
しかし決して自分のニーズを超えたレベルまで語学レベルを到達する必要はないのです。
ニーズが十分に把握できたら、次はレディネスについて調査します。
レディネス調査とは
レディネス(readiness)調査は、簡単に言うと学習における「準備状況」を把握することです。
詳しく書いてみますね。
語学学習におけるレディネス調査は、その語学の知識や学習経験がどれだけあるか、学習環境はどうなのかなど、心身の準備がどうかを知ることです。
独学の場合は、レディネス調査を以下の手順で把握しましょう。
無理は禁物です。出来るだけ現実的に考えましょう。
あわせて学習する時間帯もイメージしておくと良いですね。
英語であれば、義務教育の間に基本的なことは勉強しているでしょう。
ベトナム語などであれば、文字などゼロからのスタートかもしれません。
また学習経験がある場合は、どのように学んで来たかもまとめておきましょう。
「客観的に」というのがポイントです。
もしわかりにくければ、まわりの人に聞いてみてもいいでしょう。
「参考書を読むのが好き」とか「ひたすら音を聞いて覚えるのが得意」など、好みや得意な方法を考えます。
このようなレディネス調査をしっかりしておけば、自分に合った方法で効率的に学ぶことが出来るのです。
ベストな語学学習法は人それぞれ違う
いかがでしたでしょうか。
以上のようなニーズ分析とレディネス分析をしっかりやっておくと、自然に具体的な学習方法がわかってくると思います。
語学学習で失敗するパターンとして良くあるのは、情報にあおられて自分に合っていないやり方を選択してしまうことです。
いくら他人がある方法で上達したからといって、それが自分に適したものとは限りません。
残念ながら、選択を間違えれば時間とお金を無駄に費やすことになります。
時間とお金を無駄にして、せっかくのやる気を台無しにしないためにも、学習前にニーズ分析とレディネス調査をしっかり把握しておきましょう。
40代で挑戦した大手前大学通信教育部をなんとか卒業